車両(クルマやバイク・自転車等)を運転するときに、常に大切になってくるのは交通ルールの遵守と他者への思いやりです。場合によっては、クルマだけが凶器になりかねないわけではなく、自転車も十分に凶器になり得るということをしっかり理解しておきましょう。
先日、スタッフが車両を回送しているときに、ロードバイクの方が歩行者と接触して、歩行者が倒れて動かない(気絶している?)という痛ましい事故に、実際に遭遇しました。
自転車の交通ルールは、なかなか教えてくれない!
2015年6月1日に施行された道路交通法の改正により、原則として「自転車は車道へ」というルールが適用されたわけですが、その奥は深いのに、いつの間にかその一言だけが独り歩きしてしまっているようにも感じます。
従来から継続されている交通ルールも踏まえて、今一度、自転車の交通ルールに関して基礎を勉強しなおしておきましょう。
スタッフとしては、神奈川県警察が案内されている記事がかなり詳しいと思います
政府広報オンラインでも7月1日に自転車運転者向けの情報が公開されました
なぜ、このような記事を書こうと思ったのか
理由は2つあります。
- 自転車の逆走があまりに多すぎることも含め、ほとんど交通ルールが浸透していない現状に憂慮している
- そもそも車両(クルマやバイク・自転車等)を運転する者は全員理解しておくべきもので、特に福祉送迎を始めとした業務運転に関わる方においては、絶対に知っておくべきだと考えた
からです。
重大な違反者には自転車運転者講習制度がありますが、それ以外の方は受講しません
つまり、国で決められたルールだけが独り歩きしてしまい、ほとんどの方には詳細が知られずに運用されてしまうのです。
そして、その違反者すべてを取り締まることも、
物理的には不可能だと思います。
基本ルール
自転車は車道の左側を通行する(つまり、他の車両と進行方向は同じ)が原則です。車道の逆走は認められていません。
こうした自転車ナビマークがあってもなくても通行ルールは一緒だよ
たとえ一番左側の車道が左折専用となっていても、自転車はその左側部分を走行するのが基本ルールです。
歩道を通行許可される条件
一部、歩道を通行許可されている場合があります。それは以下の通りです。
- 標識や標示により自転車の歩道通行を許可しているとき
- 13歳未満、70歳以上の方または身体の不自由な方が自転車を運転するとき
- 自転車の通行の安全を確保するため歩道通行することがやむを得ないと認められるとき
です。年齢などの条件によって、自転車の通行ルールが変わることは、あまり知られていないのではないでしょうか?また、最後の「やむを得ない」と認められる場合は以下の通りです。
- 道路工事や連続した駐車車両などのために、車道の左側部分を通行することが困難な場合
- 著しく自動車の交通量が多く、かつ、車道の幅員が狭いなどのために、追い越しをしようとする自動車などとの接触事故の危険がある場合
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するために、歩道を通ってはならないことを指示したときは、歩道を自転車に乗って通行してはいけません。
歩道を通行するときは、特に通行する方向については法令で定められていませんが、歩行者優先であり、原則として歩道の車道寄りを徐行(すぐ止まれるスピードで走行)することと、また歩行者の通行を妨げてはならず一時停止をすることがルールとなっています。
駐車車両などを追い越す場合には?
駐車車両などを追い越す場合には、周りの車両等に注意をして、後続車を妨げないようにしなければなりません。そのほか、追い越しをすると危険と認められる場合には、先ほどの通りにやむを得ず歩道を通行することができます。
自転車専用通行帯について
先ほどの自転車ナビマークとは異なり、自転車専用通行帯については、周囲の車両に対しても様々な制約が発生します。
たとえば、以下の通りです。
- 自転車専用通行帯は、駐車禁止(人や貨物の乗降などの一時停止な停車は可能)
- 法律上、自転車専用通行帯は第一通行帯としてカウントされる
- 自転車以外のリヤカーなどの軽車両も、自転車専用通行帯を通行できる(法律上、軽車両は第一通行帯を通行すべき)。
自転車専用通行帯は、これらの標識や路面標示が目印です
あわせて以下のトヨタさんのサイトも読んでおきましょう
自転車専用通行帯への路上駐車の現状
上記の通り、自転車専用通行帯への駐車は違反ということをお伝えしましたが、しかしながら現実的には路上駐車が多い現状です。SNS上で紹介されている情報を活用して、以下の現状を把握しておきましょう。
上記以外にも細かいルールがありますが、まずは大枠の部分で上記のルールを理解しておきましょう。これだけでも相当違ってくるかと思います。
当社では、こうした現状を考慮して、講習やセミナーで必ず自転車との関係性を話すように努めています。
現状を考慮した上での、より一層優しい運転をお願いいたします。