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78条許可・訪問介護員等による有償運送の制度まとめ(通称ぶら下がり許可)

福祉有償運送(自家用有償旅客運送)とは異なる、比較的情報の少ない訪問介護員等による有償運送の規定について、以下の通りに内容をまとめました。

訪問介護員等による有償運送とは、通称「4条(43条)ぶら下がり許可」もしくは「78条許可」と呼ばれる、介護保険法に基づく訪問介護または障害者総合支援法に基づく居宅介護事業所の指定を受けた一般乗用旅客自動車運送特定旅客自動車運送事業でも可能です)事業者との契約に基づき、訪問介護または居宅介護のサービスを提供する訪問介護員・居宅介護従業者・介護福祉士に係る運送許可です。

許可にあたり必要なものは、以下の通りです。

事業所の種類制度上の概略
訪問介護介護保険適用の、高齢者向け訪問介護(利用者の居宅での生活支援)サービス。
介護保険法の介護給付を適用します)
※利用対象者は65歳以上の第一号被保険者。
居宅介護
(ホームヘルプ)
障害者総合支援法に基づいた「障害福祉サービス」の基本的な介護サービス(ホームヘルプ)を指します。(障害者総合支援法の自立支援給付を適用します)
※利用対象者は18歳以上の身体障害・精神障害・知的障害の障害支援区分1以上等。

事業所の種類制度上の概略
一般乗用旅客自動車運送(福祉輸送事業限定)
※いわゆる介護タクシー
介護保険上の要介護者・要支援者、身体障害者福祉法上の身体障害者、肢体不自由・内部障害・精神障害・知的障害等単独の移動が困難であり単独で公共交通機関を利用するのが困難である者、消防機関等を介し搬送サービスの提供を受ける者等の送迎を行います。
介護タクシーは、個人事業主でも許可を得ることが可能ですが、訪問介護員等による有償運送を行うためには、さらに訪問介護事業所または居宅介護事業所の指定が必要なことから、最低でも法人格が必要となります。運転者は二種免許保持者で、かつ日雇い・短期労働者・試用期間中ではない者等の条件を満たす必要があります。
特定旅客自動車運送一般乗用旅客自動車運送とは異なり、特定の旅客を「特定の目的地間で送迎する」ための運送です。したがって、利用者を介護事業者等の利用者に限定しており、その利用用途も利用者の自宅・病院等での送迎のみとされています。
法人格が必要です。運転者は二種免許保持者で、かつ日雇い・短期労働者・試用期間中ではない者等の条件を満たす必要があります。

関係法令等…道路運送法第78第3項、旅客自動車運送運輸規則第47条の8・第48条の2、および各種通達(国自旅第192号)等

目次

道路運送法における定義

公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供する。

詳細は、道路運送法第78条を参照してください。

通達上の定義(国自旅第192号)

介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成する介護(介護予防を含む。)サービス計画(ケアプラン)又は市町村が行う介護給付費支給決定の内容に基づき、資格を有する訪問介護員等が訪問介護サービス等と連続して、又は一体として行う輸送。

詳細は、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについて(国自旅第192号)の5ページ目3の(2)を参照してください。

障害者において、相談支援専門員が作成するサービス等利用計画を作成の上、自立支援給付(介護給付)を使用し、障害福祉サービス(指定居宅介護)事業者が輸送を実施する場合も同様のものとなります。

通常、どのようなケースで運用されるのか

介護保険における訪問介護の(介護保険法(平成9年法律第 123 号) 第8条第2項)一形態として、通院等乗降介助で用いられます。通院等乗降介助とは、居宅要介護者について、通院のため、指定訪問介護事業所の訪問介護員等が自らの運転で車両への乗降介助を行い、併せて乗車前もしくは乗車後の屋内外における移動等の介助または通院先もしくは外出先での受診等の手続き、移動等の介助を行った場合、介護給付費の算定ができます。

スタッフより

訪問介護員等による有償運送では、ケアプランないしはサービス等利用計画以外の範囲(いわゆる保険外サービス)としての運送を行うことは規定されておりません。

指定障害福祉サービスにおける通院等乗降介助も、介護保険の場合と同様のものとなります。

通院等乗降介助の他に、身体介護中心型での算定の場合もあります。

2021年4月、ヘルパー等の通院介助で病院間の付き添いも可能に!対象拡大(介護保険)

厚生労働省は、2021年4月の介護保険制度改定で、訪問介護の通院等乗降介助のルールを緩和しました。

利用者の住まいが出発地ないしは到着地となることを前提としており、病院から病院への移送・デイサービスから病院への移送などはこれまで通院等乗降介助の算定対象に含まれませんでしたが、利便性を高める観点から改善が行われました。

詳しくは、シルバー産業新聞のサイトや、厚生労働省による報酬改定に関する文書(PDF・新旧対照表の8ページ)をご覧ください。

さらに、ヘルパーが新型コロナウイルスのワクチン接種への同行が可能に!詳しくはJOINT(介護のニュースサイト)をご覧ください。

※この介護保険の内容は79条登録における通院等乗降介助(身体介護中心型を含む)の場合も同様の取り扱いです。

同様に、2021年4月より指定障害福祉サービスの通院等介助の規定も変更

同様に、指定障害福祉サービスの通院等介助(通院等乗降介助も同様)においても報酬改定・制度改正が行われています。具体的には、病院への通院等について入退院を含むように変更が行われています。詳しくは、厚生労働省による報酬改定に関する文書(PDF・新旧対照表の40ページ)をご覧ください。

※この障害福祉の内容は79条登録における通院等乗降介助(身体介護中心型を含む)の場合も同様の取り扱いです。

運転者の要件(国自旅第192号)

運転者は、以下の要件を満たすことが必要です。

訪問介護員等は、下記のいずれかの基準により、十分な能力及び経験を有していると認められること。

  1. 道路交通法(昭和35年法律第105号)に規定する第2種運転免許を保有し、申請日前2年間において無事故であり、かつ、運転免許の停止処分を受けていないこと。
  2. 道路交通法に規定する第1種運転免許を保有し、申請日前2年間において無事故であり、かつ、運転免許の停止処分を受けておらず、さらに、施行規則第51条の16第1項第1号に規定する国土交通大臣が認定する講習(=福祉有償運送運転者講習)を修了し、又は修了する具体的な計画があること(施行規則第51条の16第1項第2号に規定する要件を備えている場合又は当該要件を具備する具体的な計画がある場合を含む。)

および、訪問介護員等が法第7条(欠格事由)各号のいずれにも該当しないものであること。

この中で、訪問介護員等というのは、介護福祉士もしくは訪問介護員・居宅介護従業者(障害福祉サービス従業員)のことを指します。

また、欠格事由の詳細は以下の通りです。

(欠格事由)
第七条 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、一般旅客自動車運送事業の許可をしてはならない。
 許可を受けようとする者が一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者であるとき。
 許可を受けようとする者が一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から五年を経過していない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しを受けた法人のその処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現にその法人の業務を執行する役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。第六号、第八号、第四十九条第二項第四号並びに第七十九条の四第一項第二号及び第四号において同じ。)として在任した者で当該取消しの日から五年を経過していないものを含む。)であるとき。
 許可を受けようとする者と密接な関係を有する者(許可を受けようとする者(法人に限る。以下この号において同じ。)の株式の所有その他の事由を通じて当該許可を受けようとする者の事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもの(以下この号において「許可を受けようとする者の親会社等」という。)、許可を受けようとする者の親会社等が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもの又は当該許可を受けようとする者が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、若しくはその事業に重要な影響を与える関係にある者として国土交通省令で定めるもののうち、当該許可を受けようとする者と国土交通省令で定める密接な関係を有する法人をいう。)が、一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から五年を経過していない者であるとき。
 許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第三十八条第一項若しくは第二項又は第四十三条第八項の規定による事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過していないものであるとき。
 許可を受けようとする者が、第九十四条第四項の規定による検査が行われた日から聴聞決定予定日(当該検査の結果に基づき一般旅客自動車運送事業又は特定旅客自動車運送事業の許可の取消しの処分に係る聴聞を行うか否かの決定をすることが見込まれる日として国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣が当該許可を受けようとする者に当該検査が行われた日から十日以内に特定の日を通知した場合における当該特定の日をいう。)までの間に第三十八条第一項若しくは第二項又は第四十三条第八項の規定による事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過していないものであるとき。
 第四号に規定する期間内に第三十八条第一項若しくは第二項又は第四十三条第八項の規定による事業の廃止の届出があつた場合において、許可を受けようとする者が、同号の通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であつた者で、当該届出の日から五年を経過していないものであるとき。
 許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が前各号(第三号を除く。)又は次号のいずれかに該当する者であるとき。
 許可を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員が前各号(第三号を除く。)のいずれかに該当する者であるとき。

道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)より引用

様々な欠格事由がありますが、気になられる方はしっかり条文を見ていただいて、それ以外の方はまずは申請日前2年間において無事故であり、かつ、運転免許の停止処分を受けていないことをしっかり守っていただければと思います。

運行管理について(旅客自動車運送運輸規則に基づく)

(有償運送の許可を受けた自家用自動車の運行の管理)
第四十七条の八 旅客自動車運送事業者は、法第七十八条第三号の許可を受けて公共の福祉を確保するためやむを得ず地域又は期間を限定して自家用自動車を用いて旅客の運送を行うときは、第十五条、第二十条、第二十一条、第二十四条、第二十五条、第二十六条、第二十六条の二、第二十七条、第二十八条、第二十八条の二、第三十七条、第三十八条及び第四十三条第二項の規定に準じて、当該自家用自動車の運行の管理を行わなければならない。

旅客自動車運送事業運輸規則(昭和三十一年運輸省令第四十四号)より引用

具体的には、以下の内容の運行管理が事業者としての法令上の義務となります(その内容を以下に記します)。

第15条車掌の乗務に関すること(特定旅客自動車運送の場合)
第20条異常気象時等(天災その他やむを得ないとき)は、乗務員等への指示・安全の確保等に努めること。
第21条過労の防止および、休憩施設の確保や疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全運転ができない場合は運転させてはならない等。
第24条乗務員に対して、対面点呼(運行上やむを得ない場合は電話その他による方法)、および酒気帯び運転の防止(国土交通大臣が告示で定めるアルコール検知機器を営業所に備え、酒気帯びの有無の確認)を行うこと等(点呼に関する書類は1年間保存義務)。
第25条・第26条乗務記録および、仮眠および休憩・運転手交替、および交通事故等の記録を行うこと(乗務記録は1年間保存義務)。
第26条の2交通事故に関する記録の規定(交通事故記録は3年間保存義務)。
第27条・第28条・第28条の2運転基準図および運行指示書、事前の交通状況の調査および適する車両の使用に関する規定(運行指示書に関する書類は1年間保存義務)。
第37条乗務員台帳の作成・管理および、乗務員証の作成および携帯について(乗務員台帳は3年間保存義務で、乗務員証は1年間保存義務)。
第38条乗務員に対する指導・監督および、適性診断の受診義務(死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者・運転者として新たに雇い入れた者・乗務しようとする事業用自動車について当該旅客自動車運送事業者における必要な乗務の経験を有しない者・高齢者(65歳以上の者))に関する規定(乗務員に対する指導・監督に関する記録を3年間保存義務)。
第43条第2項踏切警手の配置されていない踏切を通過する場合の、赤色旗、赤色合図灯等の非常信号用具を備える規定。

運行管理者等の配置に関するルール

運行管理者一般乗用旅客自動車運送(もしくは特定旅客運送)に使用する車両および、訪問介護員等による有償運送に使用する車両の合計数が5台以上の場合、有資格者が必要。
(基礎講習修了+運行管理者試験の合格者である、運行管理者の配置義務)
4台未満の場合は、有資格者は不要。上記の運送に使用しない車両数は除く。
整備管理者訪問介護員員等による有償運送に使用する車両の総台数にかかわらず、有資格者は不要。
(事業用自動車のバス1台もしくはタクシー5台以上の場合は有資格者の配置義務)

運転者が受診する必要がある適性診断について

訪問介護員等による有償運送を行おうとする運転者については、その全員が運転適性診断(旅客)を受診しなければなりません。詳しくはこちらのページで解説しましたので、ご覧ください。

運賃の請求について

訪問介護・居宅介護サービスと一体となる運送については、有償運送とみなされますので、国自旅第192号(7ページ目)に記載の通り、介護タクシー等で認可を受けた運賃・料金を設定しなければなりません。

もしも自動認可運賃を下回る低廉な運賃で請求を行いたい場合には、国自旅第170号に記載の通り、介護運賃を設定する必要があります。介護給付費のみを請求し、「間に発生する運賃を請求しない」というのは本来認められておりません。

2.介護運賃

福祉輸送サービスのうち、介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成する介護サービス計画(ケアプラン)又は市町村が行う介護給付費支給決定の内容に基づき、資格を有する訪問介護員等が訪問介護サービス等と連続して又は一体として行う輸送を行う場合。

国自旅第170号より引用

営業区域について

営業区域については、国自旅第192号に記載の通り、介護タクシー等で認可を受けた区域とします。

原則として都道府県単位としますが、ただし都道府県の境界に接する市町村であり、地方運輸局長が適当と認める場合には、隣接市町村の区域を営業区域とすることができるとされています。

出発地もしくは到着地のどちらかが営業区域内にあることが必要となります。その両方が営業区域外の場合には、運行を行うことが認められておりません。

申請→許可に関する標準処理期間等について

許可申請に関わる書類については、各運輸支局のホームページ内よりダウンロードしてください。たとえば、埼玉運輸支局であれば、陸上の輸送>自家用有償旅客運送の順にアクセスし、訪問介護員等による有償運送の項目より申請書類等をダウンロードすることができます。

介護タクシー(福祉輸送事業限定)の許可申請
(4条許可)
2ヶ月+運賃・約款の認可申請1ヶ月
※二種免許の運転者が必要。法令試験が必要な場合あり。
特定旅客自動車運送
(43条許可)
3ヶ月
※二種免許の運転者が必要だが、法令試験は不要。
訪問介護員等による有償運送の許可申請
(4条・43条ぶら下がり許可)
1ヶ月
※二種免許・法令試験ともに不要。

許可に付す期限について

介護タクシー(福祉輸送事業限定)
特定旅客自動車運送
なし
訪問介護員等による有償運送2年間
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