2022年1月21日以降の講習会は、通常通り実施予定です
(埼玉県におけるまん延防止等重点措置への対応)

【2022年10月~】安全運転管理者の選任事業所がアルコール検知器使用の義務化!安全運転管理者についてのまとめ

1事業所あたり、業務に使用している自動車(白ナンバー車の自家用自動車など)が以下の台数を上回る場合には、道路交通法により安全運転管理者の選任が義務となっています。

  • 乗車定員11人以上の自動車…1台以上
  • その他の自動車(トラックを含む)…5台以上
  • 50ccを超える大型・普通二輪車…その他の自動車の0.5台分としてカウント

ここで重要なポイントは、この台数カウントは1事業所あたりになりますので、異なる場所の事業所分は合算しないという部分です。

その安全運転管理者について、2022年4月以降・2022年10月以降にそれぞれ飲酒(アルコール)に関する義務(業務)が追加されますので、以下に解説します。

目次

2022年以降の道路交通法改正のポイント

2022年4月1日以降に義務化するもの、2022年10月1日以降に義務化するもの、それぞれに違いがあります。

2022年4月1日以降に義務化するもの

2022年4月以降に義務化するものは、酒気帯びの有無を確認し、記録を保存することです。この段階では、まだ検知器は使用しません。

  1. 運転前後の運転者に対して、その運転者の状態を目視等で確認して、運転者の酒気帯びの有無を確認。
  2. 酒気帯びの有無の確認内容を記録し、その記録を1年間保存。

ここでのポイントは、運転前後ということですね。「運転中にも飲んでないかどうか確認してください」ということです。

2022年10月1日以降に義務化するもの

2022年10月以降に、アルコール検知器の使用義務などが生じます。

  1. 運転前後の運転者に対して、その運転者の状態を目視等で確認して、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて、酒気帯びの有無を確認。
  2. 上記のアルコール検知器を、常時有効に保持する。

この部分の「国家公安委員会が定めるアルコール検知器って、一体なんだ?」と思いますよね。以下に解説します。

国家公安委員会が定めるアルコール検知器とは

呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を警告音・警告灯・数値等により示す機能があれば足り、特に性能上の要件はありません。

これなら簡単そうですね。特に高額なものは必要なく、安価なものでも構わないでしょう。

ただし、安価なものではセンサー寿命が短かったり(上限回数が1,000回までなど)、記録機能が備わっていないなどの制約はあります。

現代のアルコール検知器も多種多様で、自動記録機能が備わったものや、アルコールチェックを実施しないとエンジンが始動できないものなどがあります。自動化できる部分は自動化したほうが良いのは、言うまでもありません。コストパフォーマンスなどを十分に考え、必要に応じて適切な機種を選ぶと良いでしょう。

直行直帰などで、運転者の酒気帯び検査が難しい場合は?

対面での確認が難しい場合は、適宜の方法で実施すれば良いとされています。

具体的には、たとえば運転者自身に携帯型アルコール検知器を携行してもらい、携帯電話などにより安全運転管理者と直接対話できる方法などにより、声の調子やアルコール検知器の測定結果を報告させれば良いとされています。

これについては、「報告?結局のところ、自己申告で嘘つけてしまうのでは?」と思いましたが、基本的には通話などの方法で問題ないとされています。もちろん嘘はいけませんが、エビデンス(証拠)を残せる形にしていただくと、より良いのは言うまでもありません。ただ、業務負荷とのバランスも考慮しておく必要はあるでしょう。

酒気帯びの有無の確認、アルコールチェックの記録の取り方

酒気帯びの有無の確認や、アルコールチェックの記録の取り方は、全日本トラック協会標準帳票の「点呼記録簿」が参考になります。

安全運転管理者にかかわる現行の業務や、業務を怠った場合の罰則について

ここまでお読みいただいた皆様は、「業務負荷が増えるのか…」と思ったことでしょう。

しかしながら、現行でも以下の業務が既に発生しています。

安全運転管理者が行わなければならない、現行の業務内容

スクロールできます
運転者の状況把握運転者の運転適性や、安全運転に関する技能・知識・道路交通法の遵守の状況を把握する
安全運転確保のための運行計画作成最高速度違反や、過積載・過労運転・駐車違反等の防止や、その他安全運転を確保するように留意し、自動車の運行計画を作成する
長距離・夜間運転時の交替要員配置運転者が長距離・夜間の運転をするとき、疲労などにより安全運転の継続ができない恐れがあるときは、あらかじめ交替運転者を配置する
異常気象時の安全確保の措置異常気象や、天災その他の理由により、安全運転の確保に支障があるときは、運転者に対する指示や、安全運転を確保する措置を講じる
点呼等による安全運転の指示自動車の運行前点検や、飲酒・過労・病気その他の理由により正常な運転ができるかどうかを把握し、安全運転を確保するために必要な指示を与える
運転日誌の記録運転者名、運転開始・終了日時、運転距離、その他運転状況を把握するために必要な事項を記録する日誌を備えつけ、運転を終了した運転者に記録させる
運転者に対する指導交通安全教育指針」に基づく教育のほか、安全運転に関する技能や知識などの教育を行う

これを見て思ったのですが、2番目の「安全運転を確保するように留意し、自動車の運行計画を作成する」という部分は、つまりスケジュールを詰め込んで運転してはならず、余裕を持ったスケジュールを組んで欲しい、という意図が含んでいるとも言えそうです。

たとえば、運転者の休憩時間は十分ですか?交通渋滞などを想定・考慮した安全なスケジュールになっていますか?など、注意すべき点は多いと思います。

安全運転管理者にかかわる、各種の罰則

安全運転管理者にかかわる、各種の罰則についてQ&A形式でまとめました。

安全運転管理者を選任しなかった場合は?

安全運転管理者を選任しなかった場合は、5万円以下の罰金となります。

安全運転管理者の選任の届け出を怠った場合は?

2万円以下の罰金または科料が定められています。

安全運転管理者としての業務(義務)を怠った場合は?

安全運転管理者としての業務(義務)を果たさなかったとしても、本人への罰則の適用はありません。

しかしながら、公安委員会は安全運転管理者が、必要な業務(義務)を行わず、自動車の安全な運転が確保されていないと認められるときは、自動車の使用者に対して、安全運転管理者の解任を命ずることができるようになっています。

さらに、特に過労運転による事故が発生した場合などで、安全運転管理者の業務の怠慢が事故の発生に相当寄与していたと認められる場合には、安全運転管理者自身の過失に基づく責任が認められる可能性も否定はできません。

公安委員会による、安全運転管理者の解任命令に反した場合は?

5万円以下の罰金となります。

安全運転管理者の選任基準や要件、副安全運転管理者について

冒頭でも解説した通り、 1事業所あたり、業務に使用している自動車が以下の台数を上回る場合には、道路交通法により安全運転管理者の選任が義務となります。

  • 乗車定員11人以上の自動車…1台以上
  • その他の自動車(トラックを含む)…5台以上
  • 50ccを超える大型・普通二輪車…その他の自動車の0.5台分としてカウント

その他、1事業所あたり自動車が20台以上を使用している場合、20台ごとに(乗車定員は問わない)1人の副安全運転管理者の選任も必要です。

業務に使用せず、通勤のみに使用している従業員自身の自動車は台数に含まれますか?

台数に含みません。

従業員自身の自動車を、業務に使用した場合は自動車の台数に含まれますか?

自動車の名義にかかわらず、台数に含みます。

リース自動車を業務に使用しています。自動車の台数に含まれますか?

自動車の名義にかかわらず、台数に含みます。

従業員自身の自動車を、どのような場合に使用した場合に「業務に使用した」とみなされますか?

通勤以外の目的で、業務に関連するもので使用した場合は基本的にすべてだと思ってください。たとえば、

  • 従業員の自動車で、訪問介護・居宅介護等の業務に使用する
  • 従業員の自動車で、業務に関連する買い物等で使用する
  • 従業員の自動車で、送迎輸送を行う

上記はあくまで一例で、他にもあるかもしれません。

訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)を実施している事業所です。安全運転管理者の選任は必要ですか?

不要です。

訪問介護員等による有償運送の場合、一定台数以上の場合、運行管理者(有資格者)を選任します。運行管理者が行う業務には、安全運転管理者が行う業務が含まれているため、安全運転管理者の選任義務はありません。

福祉有償運送・交通空白地有償運送を実施している事業所です。安全運転管理者の選任は必要ですか?

一定台数以上の場合、選任が必要です。

福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合、一定台数以上の場合に選任するのは、運行管理者(有資格者)ではなく運行管理の責任者であるため、その運行管理の責任者とは別に安全運転管理者を選任する必要があります。

有償運送は行っていません。安全運転管理者の選任は必要ですか?

一定台数以上の場合、選任が必要です。

安全運転管理者の要件について

安全運転管理者は、年齢20歳以上(副安全運転管理者を置く事業所は30歳以上)で、次の要件を満たす方です。

  • 運転管理の実務経験2年以上(もしくは、公安委員会が行う教習受講+実務経験1年以上など)
  • 公安委員会の解任命令を受けた者は、解任の日から2年以上を経過している
  • 過去2年以内に、ひき逃げ運転・無免許運転・酒気帯び運転等の違反歴がない者

副安全運転管理者の要件について

副安全運転管理者は、年齢20歳以上で、次の要件を満たす方です。

  • 運転管理の実務経験1年以上、または自動車の運転経験3年以上
  • 公安委員会の解任命令を受けた者は、解任の日から2年以上を経過している
  • 過去2年以内に、ひき逃げ運転・無免許運転・酒気帯び運転等の違反歴がない者

法定講習への年1回の受講義務について

安全運転管理者・副安全運転管理者は、年1回、公安委員会が実施する法定講習を受講する必要があります。講習は、選任等の後に公安委員会から通知書が届きますので、通知書が届いてから受講します。

代理受講はできないので、必ず安全運転管理者・副安全運転管理者の本人が受講してください。

アルコールチェックと有償運送との関係は?

さて、今回のアルコールチェック義務化についてですが、「できればやらないで済ませたい」という場合もあるかもしれません。ただ、正直その考えはオススメしません。何かあったときには、「管理がずさん」というレッテルが貼られてしまいます(実際に管理がずさんなので、レッテルもなにもないですが…)。そうなりたくないですよね?

今回(2022年10月以降)の改正で義務化の対象から外れる事業所は、1事業所あたり5台未満(つまり4台まで)の自動車を業務に使用している事業所のみとなります。

※50cc以上の50ccを超える大型・普通二輪車は、自動車の0.5台としてカウントします。

つまり、有償運送を行っている・行っていないにかかわらず、1事業所あたり5台以上の自動車を業務に使用している事業所では、アルコールチェックの義務対象となります。

訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)では、現時点でアルコールチェックが必要

しかしながら、介護タクシー(福祉輸送事業限定)訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)を行っている事業所では、1事業所あたり5台未満でも、アルコール検知器を使用したアルコールチェックは必要です。

具体的には、

の内容に基づき、事業所にアルコール検知器を備えて、運転者の状態を目視等で酒気帯びの状態を確認しながら、アルコール検知器を用いてアルコールチェックを行わなければならないと定義されています。

安全運転管理・教育に関してお困りの際は…

交通事故の発生は、場合によっては信用問題に発展するなど、企業にとって大きなリスクです。

安全運転管理者に選任されたばかりのみなさまや、事故防止にお悩みの経営者のみなさまを手助けするために、当社では自社内だけでは対策が困難な安全運転管理・教育をご提供いたします。安全運転管理って?やらなければいけないのはわかっているけど、何から手を付けてみればわからない…。そんなときは、ぜひ当社にお任せください。

また、介護・障害福祉事業所向けに特化した各種研修も行っています。

主に白ナンバー車などの運転者向けの運転適性診断(ペーパー式)も行っています(緑ナンバー・黒ナンバー車向けの運転適性診断とは異なります)。

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