自家用自動車を用いて、有償での送迎輸送(有償運送)を行う際の運転者が全員備えるべき(必要な)要件(資格)についてまとめました。
この記事では、自分が受講すべき講習がどれなのかが具体的にわかるように解説しています。
- 福祉有償運送運転者講習
- セダン等運転者講習
の受講前に、ご確認いただきますようお願いいたします。
共通事項(前提条件)
- 2種免許の方は、免許停止中ではない
- 1種免許の方は、過去2年以内に免許停止がない
ことが条件になります。
福祉有償運送(79条登録・自家用有償旅客運送)
市区町村(自治体)および、NPO法人・社会福祉法人等の非営利法人・団体が行う福祉有償運送(旧・市町村運営有償運送(福祉輸送)も含みます)について、運転者が全員備えるべき(必要な)要件(資格)を以下に解説します。
福祉車両(福祉自動車)で送迎輸送を行う場合
リフト・スロープ・回転シート等の装備が備わっている福祉車両で送迎輸送を行う場合は、以下の3つのうち、いずれか1つの要件(資格)を満たすことが必要です。
- 2種免許(福祉有償運送運転者講習の修了は不要)
- 1種免許+福祉有償運送運転者講習の修了(代替講習を含む)
- 1種免許+ケア輸送サービス従事者研修の修了
福祉有償運送を福祉車両のみで行う場合は、セダン等運転者講習の受講は不要です。
福祉車両以外の自動車(セダン型)で送迎輸送を行う場合
上記の福祉車両以外の自動車で送迎輸送を行う場合には、以下の2つの要件(資格)を両方満たすことが必要です。
福祉車両(福祉自動車)とセダン型ってどんな車?以下のページで、その違いを紹介いたします。
1つ目(2種免許、もしくは福祉有償運送運転者講習などの修了が必要です)
以下の3つのうち、いずれか1つの要件を満たすことが必要です。
- 2種免許(福祉有償運送運転者講習の修了は不要)
- 1種免許+福祉有償運送運転者講習の修了(代替講習を含む)
- 1種免許+ケア輸送サービス従事者研修の修了
2つ目(セダン等運転者講習などの修了、もしくは介護福祉士などの資格が必要です)
以下の5つのうち、いずれか1つの要件(資格)を満たすことが必要です。運転者が以下の資格要件を満たさない場合には、同乗者(乗務員)の一人が以下の要件を満たしていてば問題ありません。
- セダン等運転者講習の修了(代替講習を含む)
- ケア輸送サービス従事者研修の修了
- 介護福祉士
- 訪問介護員
- 指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)
上記のうち、介護福祉士・訪問介護員・指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)についての詳細は、以下の通りです。ケア輸送サービス従事者研修修了者または以下の有資格者・研修修了者は、セダン等運転者講習の受講免除対象者となります。
上記の資格や研修修了を行っていない方の場合で、福祉車両以外の自動車で福祉有償運送の送迎を行う場合には、セダン等運転者講習の受講は必要です。
- 介護福祉士
- 訪問介護員
- 実務者研修修了
- 介護職員初任者研修修了(看護師・准看護師・保健師を含む)
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)1級修了
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)2級修了
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)3級修了
- 介護職員基礎研修修了
- 指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)
- 居宅介護職員初任者研修修了
- 障害者居宅介護従業者基礎研修修了
- 居宅介護従業者養成研修課程修了(1~3級)
- 重度訪問介護従業者養成研修修了
- 同行援護従業者養成研修(一般課程)修了
- 国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
- 行動援護従業者養成研修修了
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)修了
- 生活援助従事者研修課程修了
- 視覚障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
- 全身性障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
- 知的障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
看護師・准看護師・保健師の方は、介護職員初任者研修を修了したものとみなされます。各都道府県の判断により、「看護師等の資格証」をもって代えることができるとされています。埼玉県では当分の間、看護師等の資格証で十分で、修了証明書は発行していません。一方で、群馬県などの場合は、県から修了証明書が発行されてから、訪問介護員として従事することが可能になります。
居宅介護従業者の資格要件については、東京都福祉保健局(ふくむすび)のホームページ上で公開されているものから主たるものを抜粋して掲載しています。
セダン等運転者講習の受講免除対象者については、上記の通り記載しましたが、ぱっと見た印象では関係がありそうですが、受講免除対象者にならないものの例は以下の通りです。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 相談支援専門員
- 福祉用具専門相談員
- サービス介助士
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 保育士
- 特別支援学校教諭
これらの資格の場合には、セダン等運転者講習の受講は免除になりません。
交通空白地有償運送(自治体ライドシェア・過疎地ライドシェア)
市区町村(自治体)および、NPO法人・社会福祉法人等の非営利法人・団体が行う交通空白地有償運送(旧・公共交通空白地有償運送、過疎地有償運送、市町村運営有償運送(交通空白輸送)と呼ばれていたものです)について、運転者が全員備えるべき(必要な)要件(資格)を以下に解説します。
以下の4つのうち、いずれか1つの要件を満たすことが必要です。
- 2種免許(福祉有償運送運転者講習・交通空白地有償運送運転者講習の修了は不要)
- 1種免許+交通空白地有償運送運転者講習(旧・市町村運営有償運送等運転者講習)の修了(代替講習を含む)
- 1種免許+福祉有償運送運転者講習の修了
- 1種免許+自家用有償観光旅客等運送運転者講習の修了
- 1種免許+自家用自動車管理業運転サービス科の修了
交通空白地有償運送の場合は、セダン等運転者講習の受講は不要です。
ここの交通空白地有償運送の運転者要件について、「福祉有償運送運転者講習の修了証を交付された者は、交通空白地有償運送運転者講習を修了したものとみなす」という情報の根拠については、詳しくはこちらのページをご確認ください。
訪問介護員等による有償運送(通院等乗降介助など、ぶら下がり許可)
営利法人(株式会社・有限会社・合同会社・合資会社等)やNPO法人・社会福祉法人等の非営利法人・団体が運営する訪問介護・居宅介護事業所等が行う、訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)について、運転者が全員備えるべき(必要な)要件(資格)を以下に解説します。
ぶら下がり許可の場合には、過去2年以内に無事故※であり、かつ以下の2つの要件(資格)を両方満たすことが必要です。
※公的機関の情報に申請者が交通事故を起こした履歴が入っていなければ無事故扱いです(軽微な物損事故・自損事故で、警察に届け出た上で、事故として扱われなければ問題ありません)。
1つ目(2種免許、もしくは福祉有償運送運転者講習などの修了が必要です)
以下の3つのうち、いずれか1つの要件(資格)を満たすことが必要です。
- 2種免許(福祉有償運送運転者講習の修了は不要)
- 1種免許+福祉有償運送運転者講習の修了(代替講習を含む)
- 1種免許+ケア輸送サービス従事者研修の修了
2つ目(介護福祉士などの資格が必要です)
以下の3つのうち、いずれか1つの要件(資格)を満たすことが必要です。
- 介護福祉士
- 訪問介護員
- 指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)
上記のうち、介護福祉士・訪問介護員・指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)についての詳細は、以下の通りです。
- 介護福祉士
- 訪問介護員
- 実務者研修修了
- 介護職員初任者研修修了(看護師・准看護師・保健師を含む)
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)1級修了
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)2級修了
- 訪問介護員養成研修(ヘルパー)3級修了
- 介護職員基礎研修修了
- 指定居宅介護等の提供に当たる者として厚生労働大臣が定めるもの(居宅介護従事者)
- 居宅介護職員初任者研修修了
- 障害者居宅介護従業者基礎研修修了
- 居宅介護従業者養成研修課程修了(1~3級)
- 重度訪問介護従業者養成研修修了
- 同行援護従業者養成研修(一般課程)修了
- 国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科
- 行動援護従業者養成研修修了
- 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修および実践研修)修了
- 生活援助従事者研修課程修了
- 視覚障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
- 全身性障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
- 知的障害者外出介護従業者養成研修修了(ガイドヘルパー)
看護師・准看護師・保健師の方は、介護職員初任者研修を修了したものとみなされます。各都道府県の判断により、「看護師等の資格証」をもって代えることができるとされています。埼玉県では当分の間、看護師等の資格証で十分で、修了証明書は発行していません。一方で、群馬県などの場合は、県から修了証明書が発行されてから、訪問介護員として従事することが可能になります。
居宅介護従業者の資格要件については、東京都福祉保健局(ふくむすび)のホームページ上で公開されているものから主たるものを抜粋して掲載しています。
代替講習について
以下の2通りの方は、福祉有償運送運転者講習・セダン等運転者講習・交通空白地有償運送運転者講習(旧・市町村運営有償運送等運転者講習)の代替講習を修了すれば、運転者要件を備えたと認められます。
- 道路運送法の法改正前(平成18年9月30日まで)に旧80条許可団体で運転者として従事していた方
- 道路運送法の法改正(平成18年10月1日)後に、有償運送の認定団体が認定を受ける前におこなった講習を受けた方
セダンの場合、セダン特区でのセダンの運転者もしくは乗務員として従事していれば代替講習の対象となります。
福祉有償運送運転者講習・セダン等運転者講習の修了証の有効期限はありません
福祉有償運送運転者講習・セダン等運転者講習の修了証は、一度取得(修了)していただいたら、法制度が変わらない限りずっと有効です。特に有効期限はありませんのでご安心ください。
- 全国どこでも有効ですか?
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修了証は日本国内であれば全国どこでも(他県でも)有効になります。
- 受講する順番はありますか?
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特にありません。セダン等運転者講習を先に受講していただいても特段の問題はありません。
福祉有償運送運転者講習・セダン等運転者講習のお申込み
上記をお読みいただき、福祉有償運送運転者講習・セダン等運転者講習の受講が必要な方は、以下のページからお申込みください。ご希望日がない場合には、出張講習にも対応しています。