自家用自動車による有償運送を行うためには、必要な書類および日常業務・管理者の選任・自動車保険の確認や準備が必要です。
事業を始める前に、以下の通りに必ず確認していきましょう。
必要な書類等
最低限必要な書類を、以下の通りに必ず揃えておきましょう。
旅客から収受する対価、運賃及び料金の公示
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合は、自家用有償旅客運送者は、旅客から収受する対価を公示し、又はあらかじめ旅客に対し、書面の提示その他適切な方法により説明しなければなりません。
この公示は、事務所及び自家用有償旅客運送自動車内において公衆に見やすいように掲示するとともに、市町村が実施する自家用有償旅客運送(福祉有償運送・交通空白地有償運送)の場合には当該市町村のウェブサイトへの掲載、もしくは非営利法人・団体が実施する自家用有償旅客運送(福祉有償運送・交通空白地有償運送)の場合には、その非営利法人・団体のウェブサイトまたは関係市町村・都道府県のウェブサイトに掲載します。
2024年3月31日より、ウェブサイトへの掲載が義務化されました。
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送の場合
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送とは、以下のものを指します。
- 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)
- 自家用車活用事業(日本型ライドシェア)
- 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送
これらの有償運送を行う一般旅客自動車運送事業者は、旅客自動車運送事業の運賃及び料金並びに運送約款を公示しなければなりません(もちろん、自家用自動車の有償運送を行っていない一般旅客自動車運送事業者も公示が必要です)。
この公示は、営業所において公衆に見やすいように掲示するとともに、事業者のウェブサイトへの掲載が必要です(乗合バス事業者の場合は、ウェブサイトへの掲載その他の適切な方法とする)。ただし、従業員数が20人以下もしくは、ウェブサイトを有していない場合は掲載の必要がありません。
2024年6月30日から、ウェブサイトへの掲載が義務化されました(貨物は2024年4月1日から)。
また、訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)・過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送において、契約自家用自動車内(有償運送車両内)には、旅客から収受する運賃及び料金を表示することが必要です。
根拠:旅客自動車運送事業運輸規則第4条、訪問介護事業所等の訪問介護員等による自家用自動車の有償運送の許可基準について(令和5年8月17日)、過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送の許可について(令和5年12月28日)
また、一般旅客自動車運送事業者は、旅客に対し、収受した運賃又は料金の割戻しをしてはいけません。
根拠:道路運送法第10条
【参考】介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
参考のために、介護タクシー(福祉輸送事業限定)の場合について解説しますが、基本的には上記の「旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送の場合」と同一の内容です。
運賃および料金の車内表示については、一般乗用旅客自動車運送事業者は、運賃又は料金が対時間制による場合を除き、地方運輸局長が定めるところにより、運賃及び料金の額を事業用自動車内において事業用自動車を利用する旅客に見やすいように表示しなければなりません。
また、一般旅客自動車運送事業者は、旅客に対し、収受した運賃又は料金の割戻しをしてはいけません。
根拠:道路運送法第10条
利用者(会員)名簿は、非営利法人・団体が実施する福祉有償運送のみ必要
非営利法人・団体が実施する福祉有償運送の場合には、利用者(会員)名簿の作成・管理が必要です。
しかしながら、以下(その他の有償運送)の場合には名簿作成・管理が必要ではありません。
根拠法 | 運送の名称 |
---|---|
道路運送法第78条第2号 | 自治体(市町村)が実施する福祉有償運送 交通空白地有償運送 |
道路運送法第78条第3号 | 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり) 自家用車活用事業(日本型ライドシェア) 通学通園に係る自家用自動車の有償運送 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送 |
利用者(会員)名簿を作成・管理する上で、2020年11月27日以降は利用者の区分が7区分に変更されていますので、それに従って名簿を作成・管理することが必要です。
旧区分 | 新区分(2020年11月27日以降) |
---|---|
イ: 身体障がい者 ロ: 要介護者 ハ: 要支援者、基本チェックリスト該当者 ニ: その他障がい(知的・精神・内部障がい等) | イ: 身体障がい者(手帳所持者) ロ: 精神障がい者(手帳所持者) ハ: 知的障がい者(手帳所持者) ニ: 要介護者 ホ: 要支援者 ヘ: 基本チェックリスト該当者 ト: その他の障がい(手帳を持っていない人) |
具体的には、精神障害者・知的障害者・基本チェックリスト該当者が独立してひとつの区分となっています。
NPO法人などの非営利法人・団体が行う福祉有償運送では、上記を踏まえた形での名簿管理が必要になりますが、自治体(市町村)が行う福祉有償運送(旧・市町村福祉輸送)では、名簿管理は不要です。
交通空白地有償運送では、従来(2020年11月27日より以前)は利用者の名簿管理が必要でしたが、現在は一律で名簿管理が不要に変更となっています。
根拠:道路運送法51条の29(非営利法人・団体が実施する福祉有償運送)
運転者証・乗務員証の代わりに、自動車登録番号等の車内表示等が必要です
2023年8月以降に、以下すべての自家用自動車による有償運送において、運転者証・乗務員証の掲示義務などがなくなりました。これは、2023年8月1日よりバス・タクシー・自家用有償旅客運送における運転者の氏名の提示義務が廃止されたことに伴うものです。
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)については、道路運送法施行規則から運転者証に関する記述自体が削除されました。訪問介護員等による有償運送においては、訪問介護事業所等の訪問介護員等による自家用自動車の有償運送の許可基準について(令和5年8月17日)から乗務員証に関する記述自体が削除されました。
根拠法 | 運送の名称 |
---|---|
道路運送法第78条第2号 | 福祉有償運送 交通空白地有償運送 |
道路運送法第78条第3号 | 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可) 自家用車活用事業(日本型ライドシェア) 通学通園に係る自家用自動車の有償運送 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送 |
代わりに、自動車登録番号(車両ナンバー)等の表示義務がありますので、詳しくは以下の通りとなります(運送の対価や、運賃および料金の表示義務については前述の通り)。
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合は、車内に自家用有償旅客運送者の名称(事業者の名称)および自動車登録番号(車両ナンバー)を旅客に見やすいように表示しなければなりません。
また、上記のほかに登録証の写し(コピーで良い・自家用有償旅客運送の登録番号が表示されているもの)を車内に備えておかなければいけません。
運転者証の作成および携行義務はありません。
根拠:道路運送法施行規則第51条の27第3項・第51条の28
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送の場合
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送では、車内に表示義務があるものは以下の通りです。
訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可) | 自動車登録番号(車両ナンバー) |
---|---|
自家用車活用事業(日本型ライドシェア) | 特になし |
過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送 | 契約事業者の名称および有償運送車両の自動車登録番号(車内ナンバー)又は車両番号 |
上記3つのうち、訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)と自家用車活用事業(日本型ライドシェア)については、乗務員証を乗客に掲示および提示義務自体はないものの、作成および携行は必要です。その乗務員証の記載事項は以下の通りです。また、運転者ではなくなった場合は、乗務員証にその年月日と理由を記載し、1年間保存が必要です。
- 6ヶ月以内に撮影した単独、無帽、正面、無背景の顔写真
- 作成番号及び作成年月日
- 事業者の氏名又は名称
- 運転者の氏名
- 運転免許証の有効期限
【参考】介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
参考のために、介護タクシー(福祉輸送事業限定)の場合の車内表示ルールも解説します。訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)とは少し異なります。
- 運送者(事業者)の名称、または氏名
- 自動車登録番号
- 運賃メーター器(タクシーメーター)の設置(距離制運賃の場合のみ)
また、上記の「旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送の場合」と同様に、乗務員証については、乗客に掲示および提示義務自体はないものの、作成および携行は必要です。記載事項は上記と同じです。また、運転者ではなくなった場合は、乗務員証にその年月日と理由を記載し、1年間保存が必要です。
根拠:旅客自動車運送事業運輸規則第42条、一般乗用旅客自動車運送事業の事業用自動車の表示等に関する取扱いについて(平成30年3月16日改訂版)
車体両側面もしくは車外の表示義務について
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送においては、車体両側面に以下の表示を行います。
- 運送者(事業者)の名称
- 「有償運送車両」の文字
- 登録番号(関群福第◯◯号、埼玉県交第◯◯号など)
各文字の大きさは同じとし、縦横それぞれ5cm以上であることが必要です。
この車体表示は両側面に表示する必要があり、ステッカー・マグネットでの表示が可能です。
上記の車体表示について、車体両側面に貼り付けるマグネットを作成したい方は、以下の記事でやり方を紹介しています。
訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)の場合
訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)の場合、福祉有償運送・交通空白地有償運送とは少し異なります。
- 運送者(事業者)の名称、または氏名・記号
- 「有償運送車両」または「78条許可車両」の文字
各文字の大きさは、縦横それぞれ5cm以上であることが必要です。
この車体表示は両側面に表示する必要があり、ステッカー・マグネットでの表示が可能です。
上記の車体表示について、車体両側面に貼り付けるマグネットを作成したい方は、以下の記事でやり方を紹介しています。
根拠:一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについて
自家用車活用事業(日本型ライドシェア)の場合
自家用車活用事業の用に供する間、自家用車活用事業の用に供する車両である旨を自家用車の外部に見えやすく表示すること。また、事業者の名称を外部から把握できるよう措置を講ずることが必要です。
根拠:法人タクシー事業者による交通サービスを補完するための地域の自家用車・一般ドライバーを活用した有償運送の許可に関する取扱いについて
過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送の場合
過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送の場合は、以下の表示が必要です。
- 「有償運送車両」または「78条許可車両」の文字
各文字の大きさは、縦横それぞれ5cm以上であることが必要です。
この車体表示は両側面に表示する必要があり、ステッカー・マグネットでの表示が可能です。
根拠:過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送の許可について(令和5年12月28日)
【参考】介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
参考のために、介護タクシー(福祉輸送事業限定)の場合の車外表示ルールも解説します。訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)とは少し異なります。
- 運送者(事業者)の名称、または氏名・記号
- 「福祉輸送車両」または「限定」の文字
各文字の大きさは、縦横それぞれ5cm以上であることが必要です。
この車体表示は両側面に表示する必要があり、ステッカー・マグネットでの表示が可能です。
根拠:一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについて
重大事故が発生した場合は、交通事故の記録・保存と事故報告が必要です
重大事故が発生した場合、事業者は自動車事故報告規則に基づき、運輸支局等に30日以内に報告または24時間以内に速報を行わなければいけません。運輸支局長などを経由して、国土交通大臣に提出します。
30日以内に報告が必要な事故は以下の通りです。
- 自動車の転覆・転落・火災(積載物品の火災を含む)事故
- 鉄道車両または軌道車両との衝突・接触事故
- 10台以上の自動車の衝突・接触事故
- 死者または重傷者(病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のものや、大腿または下腿の骨折など)を生じた事故(通院では該当しない)
- 事業者は、事故により死者または重傷者のあるときは、速やかにその旨を家族に通知する
- 10人以上の負傷者を生じた事故
- 自動車に積載された危険物等の飛散や漏洩事故
- 自動車に積載されたコンテナの落下事故
- 操縦装置または乗降口の扉を開閉する操作装置の不適切な操作により、旅客に11日以上、医師の治療を要する傷害を生じた事故
- 酒気帯び運転、無免許運転、大型自動車等の無資格運転、麻薬等運転を伴う事故
- 運転者の疾病により、自動車の運転を継続できなくなった事故
- 道路交通法の救護義務違反があった事故
- 動力伝達装置などの故障により、自動車が運行できなくなった事故
- 車輪の脱落、被けん引自動車の分離を生じた事故
- 橋脚、架線その他の鉄道施設を損傷し、3時間以上本線において鉄道車両の運転を休止させた事故
- 高速道路または自動車専用道路において、3時間以上自動車の通行を禁止させた事故
- 上記のほか、自動車事故の発生の防止を図るために国土交通大臣(自家用有償旅客運送に係るものは、都道府県等の長)が特に必要と認めて報告を指示したもの
また、24時間以内に速報が必要なものは以下の通りです。
- 1人以上の死者または5人以上の重傷者(病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のものや、大腿または下腿の骨折など)を生じた事故
- 旅客に1人以上の重傷者(病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のものや、大腿または下腿の骨折など)を生じた事故
- 10人以上の負傷者を生じた事故
- 事業者が使用する自動車が引き起こした事故で、かつ自動車の転覆・転落・火災(積載物品の火災を含む)を起こしたり、鉄道車両または軌道車両との衝突・接触した事故
- 酒気帯び運転を伴う事故
- 上記のほか、自動車事故の発生の防止を図るために国土交通大臣(自家用有償旅客運送に係るものは、都道府県等の長)が特に必要と認めて報告を指示したもの
事故に関し、報道機関による報道または取材があった場合や、社会的影響が大きいと認められる場合については、速報するよう努めなければならないこととされています。
なお、事故の速報に関して、担当連絡先の勤務時間内であれば電話またはFAXで連絡し、担当連絡先の勤務時間外(早朝・夜間または土日祝日)であれば携帯電話等の連絡先があるかと思います。連絡先などを必ず確認しておきましょう。
根拠:自動車事故報告規則、自動車運送事業者等が引き起こした社会的影響の大きい事故の速報に関する告示(国土交通省告示第1224号)
その具体的な報告先は以下の通りです。
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合は、事務権限委譲先の自治体(市町村または都道府県)、もしくは運輸支局へ報告を行います。
また、その事故記録には以下の情報を記載し、その記録は事務所で2年間保存しないといけません。
- 運転者等の氏名
- 自家用有償旅客運送自動車の自動車登録番号その他の当該自家用有償旅客運送自動車を識別できる表示
- 事故の発生日時
- 事故の発生場所
- 事故の当事者(運転者等を除く。)の氏名
- 事故の概要(損害の程度を含む。)
- 事故の原因
- 再発防止対策
根拠:道路運送法第79条の10、道路運送法施行規則第51条の25
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送や、介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
- 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)
- 自家用車活用事業(日本型ライドシェア)
- 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送
- 介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)
の場合は、運輸支局へ報告を行います。
また、その事故記録には以下の情報を記載し、その記録は事務所で3年間保存しないといけません。
- 乗務員等の氏名
- 事業用(自家用)自動車の自動車登録番号その他の当該事業用(自家用)自動車を識別できる表示
- 事故の発生日時
- 事故の発生場所
- 事故の当事者(乗務員等を除く。)の氏名
- 事故の概要(損害の程度を含む。)
- 事故の原因
- 再発防止対策
その他の必要な書類と、日常点検・定期点検(法定点検)・点呼業務など
その他、以下の書類を備えて記録を行います。
- 運転者名簿の作成・管理および、運転者としての資格を証する書類や免許証等のコピー(写し)の管理
- 自動車の日常点検記録表(1年間保存)
- 運転者の点呼記録表(1年間保存)
- 運行の記録(乗務記録表)(1年間保存)
- 苦情の処理・記録(1年間保存)
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合、「自家用有償旅客運送に関係する通達について(国土交通省)」の「福祉有償運送関係」または「交通空白地有償運送関係」の、どちらかの参考様式(Excel)から書類雛形をダウンロードしてください。あくまで参考様式なので、必ずしもこの様式にしなければならないわけではありません。
必ず記載しなければならない事項については、以下の根拠資料(道路運送法施行規則の該当項目)をご確認ください。
根拠:道路運送法施行規則第51条の17・19・20・21・22・23・30
自家用有償旅客運送において、必要な点呼などの運行管理業務は以下の通りです。
- 法令を遵守した上で安全な運行の確保に留意した運行計画の作成(特定事務所のみ)
- 交代運転手の配置(長距離または夜間運転に従事し、疲労等により安全運行が継続できない場合。特定事務所のみ)
- 異常気象時等における安全措置(特定事務所のみ)
- 酒気帯びの有無及び疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無の確認
- 運転者台帳の作成・管理(運転者ではなくなった場合は、その年月日と理由を記載し2年間保存)
- 自動車の点検および整備管理
- 死者または重傷者が発生した事故を起こした、または免許停止以上の処分を受けた運転者へ適性診断を受診させること
- 苦情の処理・記録
上記4のアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認(アルコールチェック)業務は、1事業所あたり自動車が5台以上(マイカー・リース車等を含む。11人乗り以上の自動車の場合は1事業所あたり1台以上)の特定事務所は1日の運転業務の前後に実施することが必要です。
2022年4月1日以降、アルコールチェック業務が必要となり、2023年12月1日以降はアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認が必要となっています。前述の参考様式は、その様式に対応した帳票に変更しています。
上記6の自動車の日常点検は、車両の種類により1日1回の運行前点検もしくは自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に実施が必要です。
日常点検の必要な点検項目については、自動車点検基準の別表第1をご確認ください。
根拠:自動車点検基準第1条
定期点検(法定点検)については、福祉有償運送・交通空白地有償運送の場合は6ヶ月または12ヶ月ごとの点検が必要です。6ヶ月点検の対象車が行う定期点検(法定点検)の内容は中小型トラック(自家用)・レンタカー(乗用車)と同じ項目で、6ヶ月ごとに24項目、12ヶ月ごとに86項目の実施が必要です。
根拠:道路運送車両法第48条第1項第2号、自動車点検基準第2条・第3条
自家用自動車の車検期間については、通常と同じく新車3年・以降2年ごとになります(8ナンバー・自家用バスなどは異なる)。
日常点検 | 定期点検 | 車検時期 | |
---|---|---|---|
自家用バス(中型車・大型車) ※レンタカーのバスを含む。 | 運行前点検 | 3ヶ月 | 1年 |
8ナンバー福祉車両(小型・普通車) | 運行前点検 | 6ヶ月 | 2年 |
5・3ナンバー車両(小型・普通車) | 適切な時期 | 1年 | 初回3年・以降2年 |
8ナンバー福祉車両(軽自動車) | 適切な時期 | 1年 | 2年 |
5・3ナンバー車両(軽自動車) | 適切な時期 | 1年 | 初回3年・以降2年 |
レンタカー(小型・普通車) | 運行前点検 | 6ヶ月 | 初回2年・以降1年 |
レンタカー(軽自動車) | 運行前点検 | 6ヶ月 | 2年 |
介護タクシー(小型・普通車) | 運行前点検 | 3ヶ月 | 1年 |
介護タクシー(軽自動車) | 運行前点検 | 3ヶ月 | 2年 |
上記の日常点検・定期点検・車検時期について、自家用有償旅客運送の場合だけではなく、無償運送(許可又は登録不要の運送)の場合も上記と同様です。
上記7の適性診断について、活動を始めてから万一、死者または重傷者が生じた事故を引き起こした場合、または交通違反等により免許停止処分になった場合、その運転者に全国の独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)等が実施する適性診断を受診させる必要があります。適性診断の詳細はこちらの解説記事をご確認ください。
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送や、介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
- 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可)
- 自家用車活用事業(日本型ライドシェア)
- 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送
- 介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)
の場合は、行政書士オフィスたかはし様で紹介されている参考様式が、とても具体的でわかりやすく参考になります。
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送や、介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の、必要な点呼などの運行管理業務は以下の通りです。
- 異常気象時等における安全措置(指示)
- 過労の防止および、休憩施設の確保、酒気帯びの有無及び疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無の確認
- 運転者台帳の作成・管理(運転者ではなくなった場合は、その年月日と理由を記載し3年間保存)
- 自動車の点検および整備管理
- 乗務員に対する指導・監督および、適性診断の受診義務
- 苦情の処理・記録
上記2のアルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認(アルコールチェック)業務は、自動車の台数にかかわらず1日の運転業務の前後に実施することが必要です。
上記4の自動車の日常点検は、自家用車活用事業(日本型ライドシェア)や介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)では1日1回の運行前点検が必要です。その他の自家用自動車の有償運送でも、1日1回の運行前点検に努めましょう。
根拠:道路運送車両法第47条の2、自家用車活用事業における自家用車の車両整備管理について
日常点検の必要な点検項目については、自動車点検基準の別表第1をご確認ください。
根拠:自動車点検基準第1条
定期点検(法定点検)については、普通・小型車および軽自動車の場合は以下の通りです。マイクロバスなどは、これと異なります。
5・3ナンバー車両 | 8ナンバー福祉車両 | |
---|---|---|
小型・普通車 | 12ヶ月 | 6ヶ月 |
軽自動車 | 12ヶ月 | 12ヶ月 |
なお、5・3ナンバーでも福祉車両の場合があります。
根拠:道路運送車両法第48条第1項第2号、自動車点検基準第2条
また、自家用車活用事業(日本型ライドシェア)では運行開始前の開始前点検・3ヶ月ごとの中間点検・12ヶ月ごとの年次点検があります。内容はタクシーと同じです。
根拠:自家用車活用事業における自家用車の車両整備管理について、自動車点検基準別表第3
自家用自動車の車検期間については、通常と同じく新車3年・以降2年ごとになります(8ナンバー・自家用バスなどは異なります)。
上記5の乗務員に対する指導・監督については、主として運行する路線または営業区域の状態および、これに対処することができる運転技術ならびに法令に定める運転に関する事項について、適切な指導監督をしなければなりません。指導監督を行った日時・場所・内容・指導監督を行った者・受けた者を記載し、営業所内において3年間保存する必要があります。
また、初任運転者・事故惹起運転者・65歳以上の高齢運転者に対して、自動車の運行の安全を確保するための特別な指導を行い、かつ国土交通大臣が認定する旅客の適性診断を受診しなければなりません。適性診断の詳細はこちらの解説記事をご確認ください。
上記6の苦情の処理・記録については、直接的には旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送には言及されていませんが、そもそも旅客自動車運送事業者自体が遵守しなければなりません。
また、乗合バスの場合は運行基準図と運行表の作成が必要です(参考までに、貸切バスの場合は運行指示書が必要)。また、乗合バスには長距離または夜間運転に従事し、疲労等により安全運行が継続できない場合については、交替運転手の配置が求められます。これは、一般乗合旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送(過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送)において適用されます。
根拠:旅客自動車運送事業運輸規則第3条、旅客自動車運送事業運輸規則第47条の8
必要な管理者の選任
運行管理の責任者、運行管理者について
自家用自動車による有償運送の場合、以下の通りに運行管理の責任者または運行管理者の選任が必要です。
自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)の場合
福祉有償運送・交通空白地有償運送においては、運行管理の責任者の選任が必要です。
運行管理の責任者は、1事業所あたり有償運送に使用する自動車が4台以下の場合は、特に資格要件はありませんが、5台以上(11人乗り以上の自動車の場合は1台)の特定事務所の場合は以下の資格が必要です。
- 運行管理者(旅客)の有資格者
- 運行管理者試験(旅客)の受験資格がある方(事業用自動車(旅客)の運行管理業務経験1年以上または、旅客の運行管理者基礎講習(3日間)を受講済み)
- 自動車の運転管理について1年以上の実務経験を有し、旅客の運行管理者一般講習(5時間)を修了した者
- 安全運転管理者になれる者(安全運転管理者の選任自体は不要)
根拠:道路運送法施行規則第51条の17、道路運送法施行規則第51条の17第2項第3号に規定する国土交通大臣が同項第1号及び第2号に掲げる者と同等以上の能力を有するものと認める者について
特定事務所の運行管理の責任者は、2年ごとに旅客の運行管理者一般講習(旅客・5時間)を受講することが必要です。この改正(変更)は、2022年10月1日より施行されております。具体的には、以下のルールとなります。
- 特定事務所の運行管理の責任者に、選任した日の属する年度の翌々年度以後2年ごとに一般講習(旅客)を受講させなければならない。
- 2022年3月31日までの間に選任された特定事務所の運行管理の責任者に、2022年10月1日から2024年3月31日までの間に一般講習(旅客)を受講させなければならない。
- この規定により一般講習を受講した特定事務所の運行管理の責任者については、一般講習(旅客)を受講した日の属する年度の翌々年度以後2年ごとに一般講習を受講させなければならない。
- 2022年4月1日から2023年3月31日までの間に道路交通法に基づく安全運転管理者の講習を受講した者は、一般講習(旅客)を受講した者とみなす。
根拠:道路運送法施行規則第51条の18の運行管理の責任者の講習を定める告示
運行管理者講習の受講先は、以下の記事をご覧ください。eラーニング(オンライン講習)もあります。
福祉有償運送・交通空白地有償運送で選任する整備管理の責任者については、特に資格要件や講習の受講義務はありません。
旅客自動車運送事業者が行う自家用自動車の有償運送や、介護タクシー(一般乗用旅客自動車運送・福祉輸送事業限定)の場合
1事業所あたり、介護タクシー+自家用自動車の有償運送に使用する乗車定員10人以下の自動車の合計台数が5台以上の場合、国家資格の運行管理者の選任が必要。4台以下の場合は、国家資格は不要です。
国家資格の運行管理者とは、運行管理者試験を合格するなどして、資格者証を有していることが必要です。
運行管理者は2年ごとに旅客の運行管理者一般講習(旅客・5時間)を受講することが必要です。
運行管理者講習の受講先は、以下の記事をご覧ください。eラーニング(オンライン講習)もあります。
根拠:旅客自動車運送事業運輸規則第49条の9、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可等の取扱いについて、自家用車活用事業における運行管理について、過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送の許可について(令和5年12月28日)
安全運転管理者について
車両の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、安全運転管理者および副安全運転管理者の選任が必要ですが、道路運送法の規定による自動車運送事業者や、道路運送法第79条の規定による登録を受けた自家用有償旅客運送事業者は、安全運転管理者および副安全運転管理者の選任義務はありません。
ここで言う道路運送法第79条の規定による登録を受けた自家用有償旅客運送事業者というのは、福祉有償運送・交通空白地有償運送を指します(道路運送法第78条第2号)。
まとめると、以下の自家用自動車による有償運送を実施している事業者は、安全運転管理者や副安全運転管理者の選任は不要となります。
根拠法 | 運送の名称 |
---|---|
道路運送法第78条第2号 | 福祉有償運送 交通空白地有償運送 |
道路運送法第78条第3号 | 訪問介護員等による有償運送(ぶら下がり許可) 自家用車活用事業(日本型ライドシェア) 過疎地域における一般乗合旅客自動車運送事業(区域運行)の輸送力補完のための自家用自動車の有償運送 |
この改正(変更)は、2022年10月1日より施行されております(2022年9月30日までは、対象となる自家用有償旅客運送の事業者は、安全運転管理者や副安全運転管理者の選任が必要です)。この日付からは、安全運転管理者や副安全運転管理者を解任して構いません(解任届の提出が必要です)。
安全運転管理者およびその業務の詳細について、以下のページで解説しています。
根拠:道路交通法第74条の3
【重要】マイカー持ち込み時は、法人との契約書と自動車保険を要確認!
運転手が、個人所有の自動車(マイカー)を持ち込んで自家用自動車による有償運送の業務に使用する際は、以下の2点を確認しましょう。
- マイカー持ち込みの契約書(所属する法人・団体と運転者個人間で締結するもの)
- 自動車保険(任意保険)または共済
マイカー持ち込みの契約書(所属する法人・団体と運転者個人間で締結)
埼玉県「福祉有償運送」のページに、契約書の参考様式があります。左記のページ内「新規の登録申請の際に提出する書類」の、「1 運営協議会に提出する書類」の6番目「自家用有償旅客運送自動車についての使用権原を証する書類」です。
万一、業務中に交通事故を起こした際などの責任の所在や役割を曖昧にせず、明確にするためにも、事前に作成し締結するのが良いでしょう。
自動車保険(任意保険)や共済と、自家用自動車による有償運送について
タクシーやバスなどの、一般旅客運送に使用する車両には、対人8,000万円以上・対物200万円以上(搭乗者傷害への対応を含むものに限る)の自動車保険(任意保険)または共済に加入することが必要とされていますが、有償運送も上記と同等の自動車保険または共済に加入する必要があります。強制加入の自賠責保険だけでは足りません。
団体・法人名義やリース車等の自動車であれば、事業用(業務使用)として加入します。緑ナンバー車が加入する「営業用」とは異なり、白ナンバー車用の保険ですが、「日常・レジャー用」などに比べると保険料は少し割高になるようです。
運転手が、個人所有の自動車(マイカー)を持ち込んで自家用自動車による有償運送の業務に使用する場合には、契約中の自動車保険または共済が、自家用自動車による有償運送の業務に対応しているかどうかをしっかり確認しましょう。代理店型の自動車保険の場合は保険代理店へ問い合わせましょう。通販型の自動車保険(いわゆる、インターネット加入できたりダイレクト型といった自動車保険)や共済の一部では、自家用自動車による有償運送は営業類似行為(タクシー行為)として保険加入対象外とする場合があるので、特に事前に確認してください。
たとえ、運輸支局や権限移譲された自治体、地域公共交通会議等(協議会)において、書類上のチェックが通過したとしても、それで保険会社さんがOKというわけではない場合もあります。事前にしっかり確認することが肝要です。
運輸局や協議会的にOKと言われたものの、実際に保険会社さんに確認してみると「有償運送行為には審査が必要。証明書を提出して欲しい」といった事例や、「有償運送を行うことが具体的に決まったら、事前に問い合わせて欲しい」といった事例を聞いています。
保険・共済の代理店やコールセンターに、自家用自動車による有償運送(道路運送法第78条)と伝えると、手続きがスムーズに済む場合が多いです。
また、併せて自動車保険・共済の「使用目的」についてもおさらいしましょう。
自動車保険(任意保険)や共済の「使用目的」について
日常・レジャー用
日常・レジャー用は、あまり業務や通勤・通学使用ですることがなく、プライベート使用が多い場合を指します。たとえば買い物へ行ったり、休日にでかけたりするなどに使用する場合です。
また、「日常・レジャー用」で加入している場合でも、通勤・通学や業務で自動車を使用するときも、保険会社が定める基準日数よりも使用することが少ない場合には、「日常・レジャー用」で保険が適用になるとされています。また、保険会社によっては後述の「通勤・通学用」ではなく「日常・レジャー用」で問題ないとされる場合もあります(使用目的が2つの区分の場合)。必ず、使用目的を保険会社に明確に伝え、確認をしておきましょう。
通勤・通学用
通勤・通学用では、たとえば保険会社では週5日以上または月あたり15日以上、通勤・通学で自家用自動車を使用する場合に必要とされています。運転者自身の通勤・通学のみならず、同居家族の通勤・通学の送迎に使った日数も合算される場合がありますので、保険会社に確認をしておきましょう。
業務用
業務用とされる使用状況の目安は、同じく週5日以上または月あたり15日以上、お仕事(業務)で自家用自動車を使用する場合に必要とされています(たとえば、通勤のみだけではなくて、訪問介護の業務に個人所有の車両を使用するなど)。
業務で自家用自動車を使用する場合でも、保険会社が設定している条件よりも業務使用の頻度が低ければ、使用目的が日常・レジャー用もしくは通勤・通学用で良いとされている保険会社がありますので、必ず保険会社に確認をしておきましょう。
また、訪問介護等で使用する場合は、以下の注意点がありますので併せて必ず確認をしておきましょう。
訪問介護は要注意!利用者宅に向かう行為は「通勤」ではなく「業務使用」
個人所有の自動車を訪問介護の業務に使用する機会はとても多いですが、中には「ご利用者様の自宅に通勤」といった表記をされている事業所があります。そうした謳い文句を見て、「自動車保険も通勤・通学用でいいのかな」と勘違いしている場合は要注意です。
注意してほしいのは、活動の実態を丁寧に事前説明しておくことです。勤務している日数や、そのうち会社に出社する日数、利用者宅に向かう日数、家族の通勤・通学の送迎の日数などを正しく把握し、保険会社に伝える使用目的が「日常・レジャー用」「通勤・通学用」「業務用」どれに該当するかを、しっかり整理することが必要です。
訪問介護の場合、会社には「訪問介護業務または有償運送するために通勤・通学用で良いと言われた」ものの、よく勤務日数を聞くと勤務日数が月15日を超えているケースも見受けられます。会社事務所に出勤するのであれば構いませんが、利用者宅に直接向かう訪問介護業務や、ましてや送迎を頻繁に行う場合には、業務用ではないとダメなケースがあります。
今まで解説したことを無視して、万が一のときに保険金が出なかったら?
自分だけではないのです。特に送迎をする場合は他人の命をお預かりしていますし、事故を起こすことは自分ごとだけでは済まないことがほとんどです。かかわる全員が不幸になりますし、とても無責任な行為と言えるでしょう。
有償運送向けの自動車保険(特別な自動車保険)
運転者の持ち込み車両で送迎を行っている、移送サービス・自家用自動車による有償運送事業者向けの自動車保険(任意保険)が出ていますので、以下の通り確認をしておきましょう。
運転者の持ち込み車両自体の、自動車保険(任意保険)の内容を特に変更しなくても良いとされている、新しいタイプの自動車保険であることが特色です。詳しくは、保険会社さんに問い合わせてみてください。
事業者が、運転者の代わりに保険加入する上乗せ型の自動車保険
損保ジャパン日本興亜株式会社様
ボランティアドライバーさん・運転手の従業員さんなどが自ら所有する、個人所有の自家用自動車を移動・送迎サービスに使用している間の事故を、事業者側が加入する保険で優先して補填するための保険です。商品・サービス名を「移動支援サービス専用自動車保険」といいます。2019年6月発表。
これで、何事も心配することなくお仕事ができるかと思います。
自動車保険以外の保険(乗車中以外の保険)
自動車保険(任意保険)や共済では、乗車中の事故に対しては補償がされますが、乗車中以外については法人向けの賠償責任保険を加入しておく必要があります(個人加入ではなく、法人・団体加入となります)。
たとえば、ふくしの保険さんのホームページで紹介されていますが、全国の社会福祉協議会で「福祉サービス総合補償」などのケガの補償・賠償責任の補償、オプションとして感染症の補償に加入することができるようです。交通事故以外の、介助中の事故などに適用とされています。
その他の商品には、ボランティア活動保険や送迎サービス補償といったものもあります。ボランティア活動保険では、有償ボランティアでは使用できないなどの条件があります。いずれも、よく確認しておきましょう。
注意をしすぎるといったことはないはずです。切れ目のない保険加入をしておくことが大切です。